秋パターン考察【釣り】

こんにちはアルクスポンド焼津の飯塚です。
暑い夏がつい先ほどまで横にいたような短そうな秋になりそうですが、今年の冬はスーパーエルニーニョだとか暖冬だとか、釣り人には優しいのか?難しいのか?気になるところでございます。
特に今シーズンからは12月~2月もナイター営業を行いますので、いつでも20時まで釣りが楽しめます。
さてお客様の中では気付いた方もいるかもしれませんが、焼津の魚の体色や顔つきに変化が現れてきました。冒頭の画像のように体色を黒く変え、口は鋭く伸びる個体が多く見られます。秋になるとニジマスなどの鮭族は産卵行動を見せ始めます。池を覗くと魚がまわりの魚を追い払うような泳ぎをいているのが見られます。これはオスが自分の遺伝子を後世へつなぐための戦いが行われているのです。より強い個体の遺伝子が未来へ繋がっていく事がどんな種族にも重要。といった自然界の摂理に則っているのです。誰が教えたわけでもなくニジマスとして生まれ育ち標準装備された機能ですが、秋を知る機能も備わっています。

当初秋を感じるのは水温だと、ずーっと感じていましたが、養魚に携わった経験から、日照の変化だと聞かされました。日が短くなって冬に向かう。人であればだれかに教えてもらえそうな事を生まれながらに知っているのです。日が短くなった事で体力のある個体(池では概ね30センチ以上)の魚は産卵行動に参加します。こうなったらオスたちはルアーを追うより周りとのバトルに終始致します。春夏と続いてきた釣り方が通用しない事も多々あります。特にオスは周りを攻撃するためにも口が鋭く伸び、嚙みつく事で攻撃します。ですのでオスの口は堅く、容易にはフッキングに至らず、ショートバイトを感じる事も多いかもしれません。釣り方にしても、食欲が極端に落ち、攻撃に特化した魚に変貌します。俗にリアクションの釣りと言われますが、追って食わせるというより、通過させて口を出させるといったイメージでしょうか。確立は出来ていませんがミノーなどを通して攻撃させる感じです。ただ派手なアクションは個人的に嫌われる傾向があったため、緩いただ巻に小さなヒラを打つような滑るアクションやボトムノックなども効果的に感じています。シュヴァーンシャッドでもちょっとしたトウィッチで演出が出来ます。
魚本来が持ち合わせた能力がこの先の季節の釣りを大きく変えていく事を皆さんも感じていただければと思います。

さてルアーフィッシングの中で「最も重要」と感じている方も多いかもしれません「色」との関係。「何色が釣れるのか?」この疑問は誰しもが当たる疑問です。先に述べた産卵期には赤や金などと仰る方もいますが、生態的時期による変化もありそうですが、根本「何色」と問われた際の実験を川島軍蔵 著「魚との知恵比べ」の中から引用させて頂きました。

死んだ魚卵に赤、青、黒、黄の染色をし、ニジマスが何色を多く食べるか?そんな中で出た答えは「青」だったのです。但し卵の背景の色は薄い青緑という条件での結果であります。各色背景を卵の色に近づけた結果、必ずしも類似色が好まれるわけでもないようで、背景が赤なら黄、黒なら赤、黄なら赤と総合すると赤優勢の一面も汲み取れます。釣りをこうして科学や統計学で掘り下げるのもまた一興ですね。ですが現場ではインスピレーションや経験値が優先してしまう。「野生の感」重視のアングラーなのです。皆様は如何でしょうか?